
ご相談にいらしたときの状況
「夫から突然、離婚したいと言われました。私は離婚したくありません。どうしたら夫の気持ちを取り戻せるのでしょうか」
Aさんは、ご主人から突然離婚を切り出され、大きなショックを受けていらっしゃいました。
これまで夫婦喧嘩はあったものの、Aさん自身は離婚するほど深刻な問題だとは考えていなかったそうです。
しかし、ご主人からは「もう何を言っても無駄だと思っている」「一緒にいても気持ちが休まらない」「これ以上、夫婦関係を続ける自信がない」と言われてしまったとのことでした。
Aさんは何とか思いとどまってもらおうと、謝ったり、話し合いを求めたりしていましたが、ご主人の態度はますます冷たくなっていきました。
カウンセリングで見えてきた夫婦問題の原因
私はまず、これまでの夫婦関係や喧嘩になるきっかけ、普段の会話の内容などを詳しく伺いました。
そして、Aさんご自身の性格や考え方、育ってきた家庭環境についてもお聞きしました。
その中で見えてきたのは、Aさんが持っている「こうあるべき」という考え方の強さでした。
Aさんは幼い頃から厳しい家庭で育ち、何事もきちんとすること、責任を果たすことを大切にしてきた方でした。
そのため、結婚生活でも「夫ならこうするべき」「父親ならこれくらいやって当然」「家族なのだから協力するのが普通」という考え方が強く、ご主人に対して注意や指摘をすることが多くなっていました。
一方、ご主人は自分の気持ちを言葉にすることが苦手で、不満があってもその場では言い返さず、我慢してしまう傾向があったようです。
Aさんにとっては、家族のためを思って伝えていた言葉でしたが、ご主人にとっては、何度も注意や指摘を受けることで「自分は認めてもらえていない」「何をしても否定される」という気持ちが積み重なっていた可能性が考えられました。
つまり、今回の離婚問題は、突然起きたものではなく、長年の夫婦生活の中で、お互いの考え方や受け取り方の違いが積み重なっていたことが一つの原因として考えられました。
私がAさんにお伝えしたこと
まず、Aさんには次のようにお伝えしました。
「今は、ご主人を説得することよりも、なぜご主人が離婚したいと思うようになったのか、その気持ちを理解することが大切です」
離婚を切り出された側は、どうしても焦ってしまいます。
何度も謝ったり、気持ちを確認したり、話し合いを求めたりする方も少なくありません。
しかし、相手の気持ちが離れているときに、そのような行動を繰り返すことが、かえって相手の負担になる場合もあります。
そこで、Aさんには次の3つを意識していただくことにしました。
① 自分の価値観を相手に押し付けていなかったか振り返る
「普通はこうする」「夫ならこうするべき」と思ったときに、それは本当に誰にとっても当たり前のことなのか、一度立ち止まって考えていただきました。
② 相手の言葉を否定せず、まず受け止める
ご主人が何かを話したときに、すぐに反論したり、自分の考えを説明したりせず、まずは最後まで話を聞くことを意識していただきました。
相手の意見に同意することと、相手の気持ちを理解することは違います。
自分と考え方が違っていても、まずは「そう感じていたんだね」と受け止めることが大切です。
③ 変わったことを言葉ではなく行動で示す
「もう注意しないから」「これからは変わるから」と繰り返し伝えるのではなく、普段の接し方を少しずつ変えていただくことにしました。
長年積み重なった不満や不信感は、言葉だけですぐに解消できるものではありません。
だからこそ、日常の小さな変化を積み重ねることが大切なのです。
カウンセリングを通して見えてきた変化
Aさんは、これまで自分が正しいと思っていた考え方が、必ずしもご主人にとっても正しいとは限らないことに気づかれました。
また、ご主人に対して何かを伝えるときも、以前のように注意や指摘から入るのではなく、相手の気持ちを考えて言葉を選ぶことを意識するようになりました。
Aさん自身が感情的にならずに接することができるようになり、これまでの夫婦関係を冷静に振り返れるようになりました。
少しづつご主人の態度にも柔らかさが垣間見えるようになりました。
カウンセラーからのメッセージ
夫婦関係が悪くなると、多くの方は「どうしたら相手の気持ちを変えられるのか」「どうすれば以前のような夫婦に戻れるのか」と考えます。
しかし、私はそれよりも先に、なぜ今のような夫婦関係になってしまったのか、その原因を見つけることが大切だと考えています。
夫婦喧嘩が多い、話し合いができない、気持ちがすれ違う。
こうした問題の背景には、それぞれの性格や考え方、育ってきた環境、物事の受け取り方などが関係していることがあります。
例えば、自分では相手のためを思って伝えている言葉が、相手にとっては否定や批判に感じられていることもあります。
反対に、相手が黙っていることを「何も考えていない」と受け取っていても、実際には自分の気持ちをうまく伝えられずにいる場合もあります。
このような違いに気づかないまま、同じことを繰り返していても、なかなか問題は解決しません。
私のカウンセリングでは、目の前の問題だけでなく、お一人おひとりの性格や考え方、育った環境なども丁寧に伺い、なぜそのような言動をしてしまうのか、なぜ夫婦の間ですれ違いが起きているのかを分析していきます。
そして、原因を理解したうえで、その方の性格や夫婦の状況に合った具体的な改善方法をお伝えしています。
夫婦問題は、ただ我慢したり、どちらか一方が謝ったりするだけで解決するものではありません。
大切なのは、お互いを理解し、これまでの関わり方を見直していくことです。
「もう夫婦関係を修復するのは難しいかもしれない」
そう感じている方も、諦めてしまう前に一度ご相談ください。
今の夫婦関係がなぜこのような状態になってしまったのか、そして、これから何をしていけばよいのか
一緒に原因を見つけ、改善への道筋を考えていきましょう。
※本事例は、ご相談者さまのご了承を得て掲載しています。プライバシー保護のため、お名前・年齢・家族構成などは一部変更しています。
事例のカテゴリー: 相談事例. ご相談内容: 夫婦再構築、離婚.

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