夫婦間合意契約書について

まゆみ夫婦問題相談 公式 カウンセリング

 

今日は、夫婦間合意契約書についてお話ししたいと思います。

ご存知のない方もおられると思います。
この書類はとても有効に使えるもので、一度きちんとご説明させて頂こうと思います。

夫婦間合意契約書とは、夫婦関係を続けるにあたっての約束事などの取り決めを文書として作成する契約書のことをいいます。

具体的な例を言うと、例えば、配偶者が不倫をした場合、離婚に至るケースも多いですが、子どものためや、生活のため、もしくはまだ愛情がある場合などに、離婚を思いとどまることもあります。一度、浮気などをされた場合、それを反省し、二度としないという人もいるでしょう。しかし、被害を受けた側からは、なかなか不安も抜け切れず、信頼関係を取り戻すことさえも難しい状態にあることでしょう。なので、夫婦関係を継続すると決めたのであれば、夫婦関係を良好にするために約束事を決めた方がいいこともあります。また再度不倫を防ぐための防御策はあったにこしたことはありません。

そのための契約書が夫婦間合意契約書です。

この夫婦間合意契約書を作成しておくことで、今後の予防にもなるのです。その中には、浮気の事実、今後浮気をしないこと、浮気をしたら約束の違反になること、それに対してのペナルティ(通常、金銭的なことが多いですが)また離婚に同意する(婚姻費用分担など)を記載したりします。事実、離婚に至ってしまった場合は、離婚協議において不貞行為の証拠にもなります。

 

不定の事実(裁判上の離婚現認民法770条1項1号)

一般的によく聞かれる離婚においての公正証書とはまた異なるものです。

また結婚に関しては、結婚契約書というものがあります。これは夫婦間契約書に似ている部分もあります。

詳しくはこちら⇒結婚契約書

ただ、これらの契約はいつでも取り消すことができます。そうなるとあまり意味がないものでは?というように思われてしまうかしれません。ですが、民法で決まっている規定があるのです。

 

【民法754条(夫婦間の契約の取消権)】

夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

民法754条にいう「婚姻中」とは、単に形式的に婚姻が継続していることではなく、形式的にも、実質的にもそれが継続していることをいうものと解すべきであるから、婚姻が実質的に破綻している場合には、それが形式的に継続しているとしても、同条の規定により、夫婦間の契約を取り消すことは許されないものと解するのが相当である。

ここで注意したいのは、契約書に離婚を同意すると記載があったとはいえ、離婚を強制できないということです。それは、夫婦の関係が形式的に継続している場合は、ダメという決まりがあるからです。もう少しわかりやすく言うと、夫婦としてはもう破綻している状態であるにもかかわらず、形だけ夫婦として見せているような状態のことになります。しかし、離婚が強制できないとしても、争いになったときに、証拠にはなるのです。またさらに証拠としての価値を高めたいのでしたら、これを公正証書にする方法もあります。

このように、夫婦間合意契約書について書きましたが、どのような内容でもできるわけではないということと、よく作られるものとしては、不倫以外にも暴力、借金などがあるということを付け加えておきます。

夫婦関係が将来どのようになっていくのかは誰にもわからないことです。ただ、どのようなことがあっても、それを乗り越えていったり、歩み寄ったりしていくことは必要なことです。また余計な不安を取り除くことも必要になります。ですので、時に夫婦の間に問題が起きたとしても、このような誓約書があることで乗り越えられることが実際に多いのは事実なのです。また、この誓約書を作成してもらうのに、安心できて、これを得意としている行政書士へ頼むこともとても大切なことになります。

もし詳しく話を聞いてみたいとか、作成したいときはぜひ私に相談していただけたらと思います。

カテゴリー: 夫婦問題解決ブログ
タグ:,

宜しければシェアして下さい。



関連記事一覧

内縁関係について
内縁関係について

内縁関係について 事実上の夫婦として暮らしていながら、 婚姻届を提出していないために法的には夫婦として扱われないケースを 「内縁関係」「事実婚」などと言います。 いずれ婚姻届を出す予定だがまだ出していない、 法的な婚姻関 …

30代母親が長女だけにキツく怒ってしまう事の悩みを解決する方法
30代母親が長女だけにキツく怒ってしまう事の悩みを解決する方法

  皆さんこんにちは!夫婦問題相談オフィス代表の大塚麻由実です。 今回は、30代の家族問題でお悩みの女性の方へ、家で簡単に改善出来る方法をお伝えします。 シーン別に解決方法をお伝えさせて頂きますね。 見出し:ま …

DV加害者チェックリスト
DV加害者チェックリスト

DV加害者チェックリスト あなたがDVやハラスメントをしている可能性があるか?パートナーがDVやハラスメントの可能性があるか?簡単なチェックリストを載せています。 質問に対しては「はい」または「いいえ」で答えてくださいね …

自分のペースとタイミングを優先する夫とうまく生活する方法
自分のペースとタイミングを優先する夫とうまく生活する方法

自分のペースを崩そうとしない夫に苦労し、疑問を感じている女性は少なくないようで 「教えて!goo」に「夫は自分最優先。結婚って何なのか……」という相談が寄せられているようです。 そして今回、様々なご縁があり、取材を受けさ …

再婚~夫が子どもを怒ると気になってしまう悩みを解決する方法
再婚~夫が子どもを怒ると気になってしまう悩みを解決する方法

皆さんこんにちは!夫婦問題相談オフィス代表の大塚麻由実です。 今回は、再婚したあとの家族問題でお悩みの女性の方へ、簡単に改善出来る方法をお伝えします。 シーン別に解決方法をお伝えさせて頂きますね。 自分の子どもではないか …

モラハラ夫への夫対処法 改善策は?
モラハラ夫への夫対処法 改善策は?

DVの中でも暴力を用いず相手を精神的に追い詰める行為をモラハラと言います。 モラハラ夫によく見られる傾向は、夫自身のプライドが高く相手を見下す言動が多くなることです。 モラハラ夫への対処法は、軽度の場合は妻自身が深く悩ま …

Skype・電話カウンセリング
Skype・電話カウンセリング

最近、電話、Skypeなどでご相談をよくさせていただいております。 私に相談したいという気持ちがあるということになりますのでとても嬉しいことだと思っております。 先日は、京都の方のSkypeカウンセリングをさせていだきま …

ハラスメントとは??
ハラスメントとは??

最近、ハラスメントという言葉をよく耳にします。では、ハラスメントとはどういうことをいうのでしょうか?ハラスメントは、誰かに嫌な思いをさせたり、不公平な扱いをすることを指します。これは学校や職場だけでなく、家庭でも起こるこ …

DV被害者の心理について
DV被害者の心理について

DV被害者の心理:なぜ自分が悪いと思ってしまうのかDV(家庭内暴力の被害者)は、しばしば自分が悪いと感じるようになります。これは、DV加害者の巧妙な操作や長期間の言動によるものです。 支配欲とコントロール DV加害者は相 …

中高年夫婦の有り方。考えが合わないときどうしたらいい?
中高年夫婦の有り方。考えが合わないときどうしたらいい?

最近、熟年夫婦のご相談をよく受けています。 子育てがひと段落した50代の夫婦としてはベテランの世代。 婚姻生活も長くなりお互いのことをよくわかり「妻はこういう人間だから…」 「夫はこういう人で、もうしょうがない」と考えて …