「以前は自然に触れ合えていたのに、いつの間にか性行為がなくなってしまった」
「誘っても断られるようになり、どうしてよいかわからない」
「相手のことは嫌いではないけれど、性行為をしたいという気持ちになれない」
このような悩みを抱えているご夫婦はいらっしゃいませんか。
セックスレスは、夫婦にとって非常にデリケートな問題です。
相手に相談しにくいだけでなく、夫婦間でも話題にすることを避けてしまい、気がつけば何年もそのままになっているケースもあります。
そして、セックスレスが続くことで、拒否される側は「もう愛されていないのではないか」と不安になり、拒否する側は「応じられない自分が悪いのだろうか」と悩んでいることもあります。
しかし、セックスレスの原因は、単に性欲の違いや愛情がなくなったことだけではありません。
日頃の夫婦関係、性格や考え方、育った環境、生活習慣、身体的な変化など、さまざまな要因が関係している場合があります。
私は夫婦問題カウンセラーとして、セックスレスの問題を考える際にも、なぜ今の状態になってしまったのか、その背景を理解することが大切だと考えています。
今回は、セックスレスになる10の原因と、夫婦関係を改善するために知っておきたいことについてお伝えします。
セックスレスになる10の原因
① 夫婦間のコミュニケーション不足
セックスレスの原因の一つに、夫婦間のコミュニケーション不足があります。
特に性に関する話題は、恥ずかしさや抵抗感から、お互いの気持ちを伝えられないことがあります。
例えば、夫は「妻から誘ってこないのだから、もう自分に興味がないのだろう」と思っている。
一方、妻は「夫は仕事で疲れているから、誘わないほうがよいのだろう」と考えている。
このように、相手を思いやっているつもりでも、実際にはお互いの気持ちを確認できていない場合があります。
また、性行為について話し合おうとすると、相手が不機嫌になったり、話題を避けたりするため、次第に話すこと自体を諦めてしまうケースもあります。
大切なのは、相手の気持ちを想像だけで判断せず、安心して話せる関係をつくることです。
② 仕事や家事・育児による疲労やストレス
仕事や家事、育児などに追われ、心身ともに疲れていると、性行為に気持ちが向かなくなることがあります。
特に、共働きで家事や育児の負担が偏っている場合、日々の生活をこなすだけで精一杯になってしまう方もいます。
例えば、妻は一日中、仕事や家事、子どもの世話に追われている。
一方、夫は「夜くらいは夫婦の時間を持ちたい」と考えている。
どちらの気持ちも理解できますが、生活の中で感じている負担が違うと、性行為に対する気持ちにも差が生まれます。
この場合、性行為の回数を増やそうとする前に、日常生活の負担を見直すことが必要かもしれません。
③ 年齢や健康状態など身体的な変化
年齢を重ねることで、性欲や身体的な反応が変化することがあります。
また、出産、更年期、病気、服用している薬の影響などによって、以前と同じように性行為を楽しめなくなる場合もあります。
例えば、女性の場合は、性交時の痛みや乾燥などが負担になることがあります。
男性の場合も、勃起に関する悩みや体調の変化によって、自信を失ってしまうことがあります。
こうした問題は、本人にとって非常に話しにくいものです。
そのため、相手には理由を伝えず、性行為を避けるようになる場合もあります。
身体的な問題を、愛情がなくなったからだと決めつけないことが大切です。
痛みや性機能の変化などがある場合には、医療機関に相談することも改善への一歩になります。
④ パートナーへの不満や信頼関係の低下
セックスレスの背景には、性行為とは直接関係のない夫婦間の不満が隠れていることがあります。
例えば、普段から話を聞いてもらえない、家事や育児に協力してもらえない、感謝の言葉がないといった不満です。
また、過去の浮気や嘘、約束を破られた経験などによって、相手への信頼が揺らいでいる場合もあります。
このような状態で性行為を求められても、気持ちがついていかないことがあります。
相手に触れたいと思えるかどうかは、日頃の関係性にも影響されるからです。
そのため、セックスレスだけを改善しようとするのではなく、まず夫婦間にどのような不満が積み重なっているのかを整理することが必要です。
⑤ 過去に拒否された経験による不安
性行為を誘ったときに断られることは、誰にでも起こり得ることです。
しかし、拒否される経験が繰り返されると、「また断られるのではないか」という不安が強くなることがあります。
特に、性行為を愛情表現の一つとして大切にしている人にとっては、断られることが自分自身を否定されたように感じられる場合もあります。
その結果、自分から誘うことをやめてしまい、夫婦間の身体的な触れ合いが少なくなっていくこともあります。
一方、拒否する側にも理由があり、相手を傷つけたいわけではない場合があります。
大切なのは、拒否されたことだけで相手の愛情を判断しないことです。
⑥ 長年の結婚生活によるマンネリ化
結婚生活が長くなると、夫婦の関係が少しずつ変化していきます。
恋人同士だった頃のような新鮮さが薄れ、家族としての安心感が強くなることもあるでしょう。
その変化自体が悪いわけではありません。
しかし、夫婦二人で過ごす時間が減り、会話も生活上の連絡ばかりになってしまうと、異性としての関心が薄れていく場合があります。
このようなときは、性行為だけを意識するのではなく、夫婦二人の時間や日頃の関わり方を見直してみることも大切です。
⑦ 性に対する価値観や希望の違い
夫婦であっても、性行為に対する考え方や希望が同じとは限りません。
性行為を大切な愛情表現だと考える人もいれば、会話や日頃の思いやりによって愛情を感じる人もいます。
また、性行為の頻度や内容についても、それぞれ希望が違う場合があります。
こうした違いがあるときに、
「夫婦なのだから応じるべき」
「愛しているなら拒否しないはず」
と考えてしまうと、相手にプレッシャーを与えることがあります。
性行為は夫婦であっても、お互いの意思を尊重することが基本です。
どちらか一方が我慢して合わせるのではなく、何を大切にしたいのかを理解し合うことが必要です。
⑧ 出産後の心身や生活環境の変化
出産後は、ホルモンバランスや身体の回復、睡眠不足、育児による疲労など、さまざまな変化が起こります。
そのため、以前と同じように性行為に気持ちが向かなくなることがあります。
また、子ども中心の生活になることで、夫婦二人の時間を確保することが難しくなる場合もあります。
一方、夫は妻との触れ合いが減ったことで、寂しさや孤独感を抱えているかもしれません。
このようなとき、どちらかの気持ちだけを優先すると、夫婦のすれ違いが大きくなってしまうことがあります。
出産後の心身の回復や育児の負担を理解しながら、無理のない関わり方を考えていくことが大切です。
⑨ 性行為に対する痛みや恐怖心
性行為に痛みや不快感がある場合、次第に性行為そのものを避けるようになることがあります。
また、過去に嫌な経験をしたことや、無理に応じた経験などが、恐怖心につながっている場合もあります。
このような状態で、相手から繰り返し性行為を求められると、さらに負担が大きくなることがあります。
大切なのは、無理に応じることではありません。
まずは本人の気持ちや身体の状態を尊重し、必要に応じて医療機関などの専門的なサポートを受けることが必要です。
⑩ 育った環境や性に対する固定観念
私は、夫婦問題を考えるうえで、育った環境や身につけてきた価値観にも注目しています。
性行為に対する考え方も、家庭環境や教育、これまでの経験などによって影響を受ける場合があります。
例えば、性について話すことを恥ずかしいと教えられてきた人は、夫婦間でも自分の希望を伝えることに抵抗を感じるかもしれません。
また、
「夫婦なら性行為をするのが当たり前」
「男性は性行為を求めるもの」
「女性は自分から誘うべきではない」
といった固定観念を持っている場合もあります。
こうした「〜すべき」という考え方(MUST思考)が強いと、自分と違う相手の考え方を受け入れにくくなることがあります。
大切なのは、自分が当たり前だと思っていることが、必ずしも相手にとっての当たり前ではないと理解することです。
セックスレスの本当の原因は、一つとは限りません
ここまで10の原因をご紹介しましたが、実際の夫婦関係では、いくつもの原因が重なっていることがあります。
例えば、妻が育児で疲れて性行為を断るようになったとします。
夫は拒否されたことで傷つき、次第に妻に冷たい態度を取るようになる。
妻は夫の態度に不満を感じ、ますます性行為に気持ちが向かなくなる。
このように、最初は生活上の疲れがきっかけだったとしても、そこから夫婦間の感情的なすれ違いが生まれてしまうことがあります。
そして、お互いに相手が悪いと考えるようになると、問題はさらに複雑になってしまいます。
セックスレスを改善するためには、今の状態だけでなく、どのような経緯でそうなったのかを理解することが大切です。
セックスレスを改善するために、まず考えてほしいこと
セックスレスの問題を解決しようとすると、「どうすれば相手が性行為に応じてくれるのか」と考えてしまうことがあります。
しかし、私はその前に確認してほしいことがあります。
それは、自分は本当は何に悩んでいるのかということです。
性行為がないこと自体がつらいのでしょうか。
それとも、相手から必要とされていないように感じることがつらいのでしょうか。
あるいは、相手との会話や触れ合いが減り、夫婦としてのつながりを感じられないことが寂しいのでしょうか。
反対に、性行為を求められることが負担になっている方は、なぜ負担に感じるのかを考えてみてください。
身体的な疲れなのか、相手への不満なのか、それとも性行為そのものに抵抗があるのか。
このように、自分の気持ちを整理することで、何を改善すればよいのかが見えてくる場合があります。
セックスレスの悩みを、一人で抱え込まないために
セックスレスは、夫婦のどちらか一方だけが悪いと決めつけられる問題ではありません。
また、性行為がない夫婦が、必ずしも不幸せだというわけでもありません。
お互いが今の関係に納得しているのであれば、それも一つの夫婦の形です。
しかし、どちらかが悩みや孤独感を抱えている場合には、その気持ちを放置しないことが大切です。
私は夫婦問題カウンセラーとして、セックスレスの背景にある性格や考え方、価値観の違い、日頃の夫婦関係などを整理しながら、ご夫婦に合った改善方法を考えていきます。
「なぜ相手が拒否するのかわからない」
「何度も断られ、傷ついている」
「相手を嫌いではないけれど、性行為に応じることがつらい」
そのようなお悩みがある方は、一人で抱え込まずにご相談ください。
セックスレスを改善するための第一歩は、相手を変えようとすることではなく、今の夫婦関係で何が起きているのかを理解することです。
その原因を一緒に整理していきましょう。
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